
ヒロシは大学のサッカー同好会に所属している。この同好会は、大学公認のクラブほど厳しくはないが、それでも他大学との試合に勝つために、しっかりとした練習を行っている。メンバー同士で作った規則もあるが、その中の一人が「杓子定規に考えないでさ」と言って、規則を守ろうとしない。ヒロシはそのことに不満を感じ、エミリーに愚痴をこぼす。エミリーは「杓子定規」という言葉の意味を確認しつつ、英語での言い方を考え、その問題児に合わないなら別のサークルに行くべきでは、と提案する。
ヒロシ: いや~、マジで困るわ。うちのサッカー同好会、一応みんなで決めた規則があるのに、ある部員が全然守らないんだよ。
エミリー: え? どんな規則?
ヒロシ: 例えば、試合前は週に3回は練習に参加することとか、試合の前日は飲み会禁止とかさ。そんなに厳しいことじゃないのに、「杓子定規に考えないでさ~」とか言って、平気で練習サボったり、試合前日に飲み会行ったりするんだよ。
エミリー: ん? その「しゃくしじょうぎ」って何?
ヒロシ: ああ、「杓子定規」っていうのは、決まりやルールをそのままの形で、融通をきかせずに適用することだよ。だから、そいつは「そんなに厳しく考えなくてもいいじゃん」って言いたいんだと思う。
エミリー: あー、なるほどね。英語だと "being too rigid" とか "following the rules too strictly" って言えばいいかな。あと、"sticking to the rules too much" も使えるね。
ヒロシ: ふむふむ。「rigid」は「カッチカチ」みたいな意味だっけ?
エミリー: そうそう! だから "Don't be so rigid!" って言うと、「そんなに杓子定規に考えないでよ」って感じになるよ。
ヒロシ: なるほどなー。でも、今回の問題は「杓子定規すぎる」んじゃなくて、むしろルールをちゃんと守ってほしいんだよ。
エミリー: うん、それはおかしいね。ルールを作ったなら、みんなで守るべき。もし「杓子定規すぎる」って言うなら、最初から話し合いのときに意見を言うべきだったんじゃない?
ヒロシ: そうそう! そいつ、決めるときは何も言わなかったくせに、後になって勝手なこと言ってさ。
エミリー: それなら、その人はもっと緩いサークルに行けばいいんじゃない? ヒロシたちは本気でやりたいんでしょ?
ヒロシ: そうなんだよ! 別にプロを目指してるわけじゃないけど、他大学との試合で勝ちたいし、みんな真剣にやってるのに、そいつだけ適当にやってると雰囲気も悪くなるしさ…。
エミリー: でも逆に、ルールを厳しくしすぎるのも問題かもね。たとえば、大雨の日に「練習は絶対に休んじゃダメ!」って言って、ケガする人が出たら大変でしょ?
ヒロシ: まあ、確かに。ルールは大事だけど、状況に合わせて調整することも必要だな。
エミリー: そうそう! 英語では「杓子定規になりすぎる」ことを "too by-the-book" とか "too inflexible" って言うよ。
ヒロシ: なるほど!「by-the-book」って「本の通り」ってことか。つまり、「ルールに忠実すぎる」みたいな感じだな。
エミリー: そう! "He always does everything by the book." って言うと、「彼は何でもルール通りにやる」って意味になるよ。
ヒロシ: ふむふむ。じゃあ、結局大事なのはバランスだな。ルールは守るべきだけど、杓子定規になりすぎてもダメってことか。
エミリー: そういうこと!
解説
今回の会話では、「杓子定規」という言葉と、それに関連する英語表現が登場しました。
「杓子定規」とは、決まりやルールを機械的に適用し、柔軟な対応をしないことを指します。多くの場合、否定的なニュアンスで使われます。
エミリーは英語での表現として、
- "being too rigid"(厳格すぎる)
- "following the rules too strictly"(ルールを厳しく守りすぎる)
- "sticking to the rules too much"(ルールに固執しすぎる)
などを紹介しました。
また、逆にルールに固執しすぎて柔軟な対応ができない場合、"too by-the-book" や "too inflexible" という表現が使えます。例えば、
- "He's too by-the-book. He never adjusts to new situations."(彼は杓子定規すぎて、新しい状況に対応できない。)
ヒロシとエミリーの会話を通じて、ルールを守ることの重要性と同時に、状況に応じた柔軟な対応の大切さも学べました。
「杓子定規」を英語で説明する
Shakushijougi(杓子定規)
This phrase refers to applying rules or principles in a strict, inflexible manner without considering exceptions or specific situations. It often carries a negative connotation, implying a lack of flexibility or adaptability.
Example:
- "Don't be so rigid! Try to be more flexible in your approach."
- "He always does everything by the book, which sometimes causes problems."
日本語訳:
「杓子定規」とは、規則や決まりごとを厳格に適用し、柔軟な対応をしないことを意味します。多くの場合、否定的なニュアンスで使われます。
※取り上げられた言葉は日本語能力試験(JLPT)N2に該当します。