
ヒロシのサッカーチームは大学の大会に向けて重要な試合があった。しかし、試合当日、チームメイトの一人が遅刻し、ヒロシは「ふざけんな!」と怒っていた。試合に間に合わなかったことで戦力が落ち、ヒロシは憤慨していた。
ところが、後でそのチームメイトの遅刻の理由を聞くと、「家族の緊急事態だった」とのこと。それを知ったヒロシは、「まあ、仕方がないな」と納得した。
その話をエミリーにすると、「つまり、情状酌量の余地ありってことだね」と言った。エミリーは「情状酌量って何?」と興味を持ち、ヒロシはその意味を説明。さらに、「アメリカにも当然、そういう考え方はあるでしょ?」とエミリーに聞いてみた。
ヒロシ: いやー、昨日の試合、最初めっちゃムカついてたんだよ。チームメイトが大事な試合に遅刻してさ。
エミリー: えっ、それは困るね。試合、大丈夫だったの?
ヒロシ: なんとか試合はできたけど、戦力的には厳しかったな。最初は「何やってんだよ!」ってみんな怒ってたけど、後で理由を聞いたら、まあ仕方がないなって思った。
エミリー: どんな理由だったの?
ヒロシ: そいつの家族に緊急事態があったんだって。それなら、「情状酌量」の余地ありってことだな。
エミリー: じょうじょうしゃくりょう? それってどういう意味?
ヒロシ: 簡単に言うと、悪いことをした人にも事情がある場合、その状況を考慮して厳しく責めるのをやめること。もともとは法律用語で、犯罪を犯した人にやむを得ない事情がある場合、刑を軽くすることを意味する。でも、日常会話でも「相手の事情を考慮して責めるのをやめる」っていう意味で使うんだ。
エミリー: なるほどね。たとえば、誰かが宿題を忘れたけど、その理由が「家族が急に病院に運ばれたから」だったら、「情状酌量の余地あり」って言える?
ヒロシ: そうそう! そういう時にも使えるよ。
エミリー: へぇー、面白いね。でもアメリカにもそういう考え方はあるよ。「extenuating circumstances(酌量すべき事情)」とか「give someone the benefit of the doubt(相手の事情を考慮して疑わない)」って言うかな。
ヒロシ: なるほど。「extenuating circumstances」は法律用語っぽいね。「benefit of the doubt」は、どっちかというと「疑わない」って意味が強いのかな?
エミリー: そうだね。「benefit of the doubt」は「相手を信じる」って感じ。でも、どちらも「情状酌量」に近い意味で使えることがあるよ。今回の状況だと、He was late for the game, but his family situation was an extenuating circumstance.って感じかな。
ヒロシ: やっぱりどこの国にも、事情を考慮して判断するっていう考え方はあるんだな。
解説
「情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)」 は、もともと法律用語で、犯罪を犯した人に特別な事情がある場合、それを考慮して刑を軽減することを指します。例えば、「経済的に追い詰められて盗みをした」「家族を守るためにやむを得ず暴力を振るった」などのケースでは、裁判官が情状を酌量し、刑を軽くすることがあります。
しかし、日常会話では「相手の事情を考慮して、厳しく責めるのをやめる」意味で使われることが多いです。
エミリーが紹介した英語表現には、次のようなものがあります。
- extenuating circumstances(酌量すべき事情)
→ 法律用語としても使われ、特別な事情がある場合に刑罰や評価を軽くすることを指します。 - give someone the benefit of the doubt(相手の事情を考慮して疑わない)
→ 相手が悪く見える状況でも、ちゃんとした理由があるかもしれないと信じること。
どちらも「情状酌量」に近いニュアンスを持ちますが、厳密には意味が異なるため、文脈に応じて使い分ける必要があります。
「情状酌量」を英語で説明する
Joujou shakuryou(情状酌量)
This term is primarily a legal concept in Japan, referring to reducing a sentence or punishment when there are extenuating circumstances. In daily conversation, it can also mean considering someone's situation before judging them too harshly.
Example:
- "He was late, but since the train stopped due to heavy snow, we can consider joujou shakuryou."
- "Forgetting homework is bad, but if he was sick, there's some joujou shakuryou."
日本語訳:
「情状酌量」は主に法律の場面で使われ、特別な事情がある場合に刑罰を軽減することを意味する。しかし、日常会話では「相手の事情を考慮して責めるのをやめる」ことを指すこともある。
「彼は遅刻したけど、大雪で電車が止まっていたなら、情状酌量の余地があるね。」
「宿題を忘れるのはよくないけど、もし彼が体調を崩していたなら、情状酌量の余地があるね。」