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「恩返し」日本人の美学を英語で伝えるためには。

エミリー: 今日のセミナー、面白かったね。「恩返し」って話が印象的だった。けど、正直、完全に理解できたかどうか自信ないな。

ヒロシ: うん、確かに難しいテーマだよね。でも、エミリー、「」ってそもそも何か分かる?

エミリー: 「恩」?なんとなくは分かるつもりだけど…えーっと、何か助けてもらったり、親切にしてもらったときに感じる「ありがたい気持ち」みたいな感じかな?

ヒロシ: それも間違ってないけど、「恩」って日本語ではちょっと特別な感覚なんだ。たとえば、ただ「親切」とか「優しさ」を感じるだけじゃなくて、それを受けたことに対して「自分に何か責任がある」っていう気持ちも含まれてるんだよ。

エミリー: 「責任」?どういうこと?

ヒロシ: そうだね、例えば…親が子どもを育てるのって、ただ親切でやってるわけじゃないでしょ?子どもに対する「愛情」とか「義務感」もあるけど、子どもがその親の努力を理解したら、「育ててもらった恩を返したい」って思うことがあるよね。それが「恩」を理解する一つの例だと思う。

エミリー: あー、なるほど。それは「感謝」よりもっと深い感じだね。ただ「ありがとう」って言うだけじゃ終わらないんだ。

ヒロシ: そうそう。「恩」には「相手が自分のためにどれだけ努力や犠牲を払ったか」っていう意識が大事なんだよ。それを受け取る側もちゃんと分かって、感謝を示すのが「恩返し」だね。

エミリー: そう聞くと、英語で「恩」そのものにぴったりの言葉を思いつかないな…。たぶん、「obligation」とか「debt of gratitude」って近いけど、ちょっと固い表現だし、ニュアンスが足りない気がする。

ヒロシ: 英語だと難しいのかもね。でも、「恩返し」っていう考え方を一番分かりやすく説明してるのが「鶴の恩返し」っていう昔話だと思う。

エミリー: あ、それなら知ってる!鶴が人間に助けられて、そのお礼に自分の羽で布を織るんだよね。すごく感動的な話。

ヒロシ: そうそう。それも「恩返し」のいい例だよ。鶴は自分が助けてもらったことをよく理解してて、その恩を形にして返そうとしたんだよね。しかも、その行動にはすごく犠牲が伴ってる。

エミリー: そうだね。英語で説明するとしたら、「A crane repays a human's kindness by weaving cloth from its own feathers」って感じかな?でも、鶴の気持ちとか、犠牲の部分を完全に伝えるのは難しいな。

ヒロシ: エミリーの説明、すごく分かりやすいよ!でも確かに、「鶴の恩返し」にある犠牲とか感情をすべて伝えるのは簡単じゃないよね。

エミリー: うん、でもこういう話を通して日本の文化をもっと深く理解できる気がする。日本では「恩」ってただ感謝するだけじゃなくて、それを行動に移すことが大事なんだね。

ヒロシ: そうだね。日本にいる間に、いろんな場面で「恩」を感じたり考えたりすることがあると思うよ。その時また話そう!

解説

    • 日本語: 他者から受けた助けや好意、特にその背景にある努力や犠牲を含むもの。
    • 英語: Debt of gratitude / Sense of obligation / Gratitude deeply felt
      例: "He felt a deep sense of obligation toward his mentor for their guidance."
      (彼は師匠の指導に対して深い恩を感じていた。)
  1. 恩返し
    • 日本語: 受けた恩に感謝を示し、それに見合う行動をとること。
    • 英語: Repaying a favor / Returning kindness
      例: "She repaid her parents’ sacrifices by supporting them in their retirement."
      (彼女は親の犠牲に恩返しとして老後を支えた。)
  2. 鶴の恩返し
    • 日本語: 人間に助けられた鶴が、自分の羽を織物にして恩を返す日本の昔話。
    • 英語: "The Crane’s Return of a Favor"
      例: "The crane showed its gratitude by weaving cloth for the kind man."
      (鶴は優しい男性に布を織ることで感謝を示した。)
  3. 感謝 (Gratitude)
    • 日本語: 他者に対してありがたく思う気持ち。
      例: "Her gratitude was evident in her heartfelt thank-you note."
      (彼女の感謝の気持ちは心のこもったお礼状に表れていた。)

恩返しを英語で説明する。

On-gaeshi (恩返し) is a deeply rooted concept in Japanese culture that refers to repaying kindness or showing gratitude through actions. It goes beyond simply saying "thank you" and often involves a meaningful effort to acknowledge and honor the help or support received. A classic example of this concept is the folktale "Tsuru no Ongaeshi" (The Crane's Gratitude). In the story, a crane that was saved by a kind man returns to repay his kindness by weaving a beautiful cloth using its own feathers. This act of self-sacrifice highlights the essence of on-gaeshi: expressing gratitude not only with words but through significant and often selfless actions.


恩返しは日本文化に深く根付いた概念で、親切にしてもらったり助けられたことに対して行動で感謝を示すことを指します。ただ「ありがとう」と言うだけでなく、受けた恩をしっかりと認識し、それに見合った形で応える努力が重要です。この概念を象徴する有名な例として、「鶴の恩返し」という昔話があります。この話では、優しい男性に助けられた鶴が、その恩に報いるために自分の羽を使って美しい布を織ります。この自己犠牲的な行動は、恩返しの本質である「言葉ではなく行動で感謝を表すこと」を鮮やかに描いています。

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