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「お疲れ様」は英語でどういうの?:文化の違いを感じるフレーズ
お疲れ様を英語でなんていうのでしょう。

ヒロシ:バイトが終わって、同僚に、「お疲れ様、明日は休み?」

同僚:お、ヒロシか、「お疲れ様」明日も出だよ。ヒロシは休みだろ。

ヒロシ:そう、次の出は今週の土曜日かな。

同僚:いいな、学生は、じゃまた。

ヒロシは帰り道で考えます「お疲れ様」って英語でなんて言うのかな。

今日はつかれましたねって言うのかなぁ。明日エミリーに聞いてみよう

翌日

ヒロシ:エミリー、バイト先でよく『お疲れ様』って挨拶交わすんだけど、アメリカでもそういう言葉あるのかな。英語にするとどんな感じになる?

エミリー:「お疲れ様」ね。私もよく聞くわ。確かに、日本語の言葉だけだと、疲れていることをねぎらっている意味合いなんだと思うけど、ほとんど挨拶の定型フレーズのように感じるわ。それに相当する言葉はアメリカには『お疲れ様』にぴったり合う言葉はないのよ。そういう言葉自体、文化の違いの一つだと思うわ。

ヒロシ:そうなんだ……じゃあ、アメリカのバイト仲間とかは、仕事が終わったときに何て言うの?

エミリー:たいていは、『See you tomorrow!』(また明日ね)とか、『Take care!』(気をつけてね)みたいに、別れの挨拶をするだけかな。

ヒロシ:それって、労いの気持ちってあまり入ってないよね?

エミリー:そうね。アメリカでは、一緒に働いたこと自体に感謝するよりも、終わったことに対してあまり言葉を重ねないのが普通かな。もし本当に誰かの働きに感謝したいなら、『Thank you for your help today.』(今日は助かったよ)とか、『Good job!』(よくやったね)みたいにその場の成果にフォーカスするの。

ヒロシ:なるほど。じゃあ、バイトが終わった後、みんなに『Good job!』って言えばいいのかな?

エミリー:それも悪くないけど、『Good job!』は成果を褒めるときに使うことが多いから、あまり言わないわね。毎回言うとちょっと重いかも。仲が良い仲間には、『See you tomorrow!』とか『Have a good night!』の方が自然かな。

ヒロシ:うーん、『お疲れ様』って、ただの挨拶以上の意味があったんだな。アメリカだと、感謝とか成果を褒めるのはもっと具体的な場面で言うんだね。

エミリー:そうそう。あと、例えば身体的な疲れを心配するときは、『You must be tired. Get some rest.』みたいに言うこともあるよ。だけど、バイトの終わりにはあまり使わないかな。

ヒロシ:ふむふむ……じゃあ、結局、『お疲れ様』にそのまま合う英語はないってことか。

エミリー:そうね。『お疲れ様』って、日本特有の表現だと思う。人と人との繋がりを大事にする文化があるから、仕事が終わったときでも労いや感謝を言葉にするんでしょ。でも、英語だとその場に応じて簡単な別れの挨拶や感謝の表現を使い分ける感じかな。

ヒロシ:分かったよ。これからは、英語だと状況に合わせて挨拶するように心がけるよ。『See you tomorrow!』とか『Take care!』とか、使い分けてみる。

エミリー:それが一番自然だと思う!無理に日本語の表現をそのまま英語に置き換えようとしない方がいいよ。

ヒロシ:「そういえば、バイト先じゃなくても、何か頼むときや、人を紹介されたりした時に『よろしくお願いします』もよく言うんだけど、これも英語にするのは難しいのかな?」

エミリー:「うん、『よろしくお願いします』も日本独特の表現よね。英語には、これに完全に一致するフレーズがないの。頼み事をする時に、英語圏ではもっと具体的なお願いや感謝の言葉を使うのが普通なの。」

ヒロシ:「たとえば、どんな風に言うの?」

エミリー:「たとえば、仕事の依頼なら、英語では『Please take care of this.』(これをお願いします)とか、事前に感謝の気持ちを込めて『Thank you in advance.』(あらかじめありがとう)って言うかな。でも、日常的に『よろしくお願いします』のような言葉を毎回使う文化はないわ。」

ヒロシ:「え、じゃあ、英語だと仕事が始まる前に『よろしくお願いします』って言わないの?」

エミリー:「そうね。英語では、仕事が始まる前に『協力して頑張りましょう』という意味で『I look forward to working with you.』(あなたと一緒に仕事するのが楽しみです)みたいな表現を使うことはあるけど、毎回の定型表現として使うことはないわね。」

ヒロシ:「なるほど……『I look forward to working with you.』確かにちょっと感情が強すぎるね。普通のお願いをしたいときには、どう言えばいいんだろう?」

エミリー:「そうね、具体的な依頼の場面では、『Please』を使うのが一番自然よ。たとえば、『Could you help me with this, please?』(これを手伝ってもらえますか?)とか、『Let me know if you need anything.』(何かあれば教えてください)みたいに言うのが一般的かな。」

ヒロシ:「そっか、英語ではシンプルで直接的なお願いの方が自然なんだね。」

エミリー:「そうなの。『よろしくお願いします』っていうのは、日本では相手に敬意を払って関係を良くするための言葉だけど、英語圏では『良い関係を築きたい』というのは、言葉にしないで行動で示すのが普通なの。」

解説

「お疲れ様」は、日本特有の労いの表現であり、仕事の終わりや共同作業後に相手の努力をねぎらい、関係を円滑にするための挨拶です。これに対応する英語は存在しないため、代わりに「See you tomorrow!」(また明日ね)や「Take care!」(気をつけてね)といった軽い別れの挨拶や、成果を称賛する「Good job!」(よくやったね)などを状況に応じて使い分けるのが自然でしょう。

「よろしくお願いします」は、相手への敬意を示し、協力を促すための表現ですが、英語にはこれに対応する定型的な挨拶表現はありません。英語では、状況に応じて「Please」(お願いします)や「Let me know if you need anything.」(何かあれば教えてください)といった具体的なお願いの言葉を使います。また、「I look forward to working with you.」(一緒に仕事ができるのを楽しみにしています)も使われることがありますが、感情が強いため、日本語の「よろしくお願いします」とはニュアンスが異なります。

このように、「お疲れ様」と「よろしくお願いします」はどちらも日本の文化に深く根差した表現であり、英語にそのまま置き換えるのは難しいです。それぞれの意味に近い表現を状況に応じて使い分けることが重要です。ヒロシも、この違いを理解することで、英語の自然なコミュニケーションに少しずつ慣れていくことができるでしょう。

参考:翻訳しても使わない英語:文化の違いを理解する:運営者コラム

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