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「Open Arms(オープン・アームズ)」英語における身体表現

ヒロシがアメリカのロックバラード「Open Arms(by Journey)」を聞いて、その歌詞の意味が気になっていた。学校帰りにエミリーと話していると、ちょうどその話題に。ヒロシはオープン・アームズの意味がなんとなく想像できたものの、その真意や使い方が気になり、エミリーに質問する。


ヒロシ: この前さ、Journeyの「Open Arms」って曲を聴いたんだけど、なんかすごく心に響いたんだよね。タイトルが「Open Arms」っていうのも気になってさ。

エミリー: あれ名曲だよね。で、「Open Arms」って聞いてどんなイメージ持ったの?

ヒロシ: うん、最初に思ったのは、「心を開いてる」って感じかな。言葉だけでそう思ったわけじゃなくて、曲の雰囲気からもそういうイメージが湧いて。

エミリー: それ、すごくいい感覚だよ。"with open arms" って、まさに心を開いて、相手を受け入れるっていう気持ちを表す表現なんだ。

ヒロシ: じゃあ、あの曲の中では、相手に対して「受け入れるよ」って気持ちを伝えてるんだね。

エミリー: そう。過去のことを乗り越えて、もう一度関係を始めようっていう気持ちがこもってる。もちろん、人を歓迎する場面でも使われるけど、それだけじゃないの。

ヒロシ: なるほど。日本語でも「心を開く」とか言うけど、英語にもそういう身体的な動きで気持ちを伝える表現ってあるんだね。

エミリー: うん、日本語って「首をかしげる」とか「肩を落とす」とか、体で気持ちを表す言葉が多いでしょ。でも、英語にも意外とあるんだよね。

ヒロシ: "with open arms" も、そういう意味では、ただの言葉じゃなくて気持ちの姿勢を表す比喩なんだ。日本語には「腕を開いて受け入れる」って表現はあまり聞かないし、逆に英語の方がストレートに伝えてる気がするな。形容詞で説明するより、イメージで伝えるっていうか。

エミリー: たしかに。「心を開いてる」とか「温かく包む」って意味合いに近いけど、それを "open arms" って身体のイメージで表すのが英語らしいところかも。

ヒロシ: 英語表現って、こういうのに出会うと感覚が研ぎ澄まされる感じするね。なんか言葉の奥にある気持ちに気づかされるっていうか。

エミリー: そうそう、比喩って単なる言い換えじゃなくて、感情の形みたいなものだよね。

ヒロシ: また、気になる英語表現あったら教えて。なんか、こういうの面白いからさ。

エミリー: もちろん!お互いの言葉からいろんな発見できるの、ほんと楽しいよね。

解説

with open arms(ウィズ・オープン・アームズ)は、英語で心から誰かを受け入れる気持ちを表す比喩的な表現です。もともとは、両腕を広げて相手を迎える動作から来ており、その身体的なイメージを通して、相手に対する温かさ、誠実さ、そして信頼を象徴します。

この表現は、「歓迎する」という意味で使われることもありますが、単なる「歓迎」の言い換えではありません。むしろ、再会、許し、和解、新しい変化や人への受け入れといった感情的・人間関係的な背景を伴う受容の場面で使われることが多いのが特徴です。

例文

  • After ten years of silence, she welcomed him with open arms.
     10年ぶりの沈黙を経て、彼女は彼を心から受け入れた。
  • The town received the new immigrants with open arms.
     その町は新しい移民たちを温かく受け入れた。
  • Despite everything, his family accepted him back with open arms.
     すべてのことを乗り越えて、彼の家族は彼を心から受け入れた。
  • They embraced the opportunity with open arms.
     彼らはその機会を心を開いて受け入れた。

このように、“with open arms” は単なる儀礼的な歓迎表現ではなく、感情の深さや心の状態そのものを伝える言葉です。

一方、日本語には「腕を開いて迎える」といった表現は定型句としては存在せず、より一般的に用いられるのは「心を開く」や「温かく迎える」などの、内面の状態を描く比喩的な言い方です。

興味深いのは、日本語が身体を使った比喩的な表現の宝庫であることです。
たとえば:

  • 首をかしげる(疑問)
  • 肩を落とす(落胆)
  • 顔をしかめる(不快)
  • 腹を割る(本音を語る)

これらはすべて、感情や態度を身体動作で象徴するもので、日本語特有の表現方法として外国人学習者には難しいポイントでもあります

しかし、“with open arms” のような表現があることで、英語にも身体の動きを使って感情や関係性を描写する文化的な言い回しが存在することに気づかされます。
これは言語を超えた共通点であり、両言語における感情の伝え方の奥深さを示していると言えるでしょう。

英語での説明

"With open arms" is a commonly used English idiom that expresses the emotional attitude of sincerely welcoming or accepting someone. It is often used in both personal and broader social contexts to signify openness, trust, and heartfelt reception.

While it literally evokes the image of a person spreading their arms to embrace someone, it is not only about physical gestures—it's about showing that your heart is open to the other person or idea.

In Japanese, there is no exact equivalent that uses the body in the same way. If translated directly as “腕を開いて” (ude o hiraite), it would sound unnatural. The closest expression is “心を開く” (kokoro o hiraku), meaning "to open one’s heart." Though it lacks the physical imagery, it resonates emotionally in a similar way.

日本語訳
「with open arms」は、誰かや何かを心から受け入れる感情を表す英語の慣用句です。文字通りには腕を広げて誰かを抱きしめるような動作を示しますが、実際には「心の扉を開いて相手を受け入れる」という気持ちを象徴しています。

日本語にはこの身体的なイメージを使った定型表現はなく、「腕を開いて」と訳すと不自然です。最も近いのは「心を開く」という表現で、物理的ではないものの、感情面では非常に似た意味合いを持っています。

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